一時期話題になったサブリース問題。
表面上の問題と根強い問題についてまとめます。
家賃下落問題
ニュースにも取り上げられているので、よくご存知の方も多いと思いますが、築年数が経つとサブリースは家賃を下げられます。
これは、普通の管理会社に依頼した場合でも同様で、家賃の下落をオススメされることが多いです。
当たり前の話ですが、新築時は新築プレミアム価格で、周辺の物件よりも多少高い家賃設定で借り手はつきます。
築年数が経つと、物件自体の価値は下がり、それと共に家賃を下げないと借り手はつきません。
そのため、サブリース会社が家賃を下げること自体は、あまり抵抗なく理解できます。
しかし、問題なのは「物件契約時の書類では、家賃を下げることを盛り込んだ提案をしていない」ことです。
これがお客さんを騙しているのではないかという話になり、裁判沙汰になるオーナーが増えました。
サブリース打ち切り問題
これもニュースに取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。
サブリース会社は採算の合わない物件は切り捨てます。
儲からないから切り捨てるという考えは、企業判断としては「リストラのようなもの?」と理解することはできます。
可愛そうなのが、アパートを相続したご家族です。
基本的に、レオパレスや大東建託は「お金のあるお年寄りの地主」をメインに営業しています。
お金のない土地もない人に営業しても意味ないので、当たり前のことだと思います。
問題なのが、「採算の合わそうな土地(まわりが田んぼだらけや過疎化地域)の地主に営業をかけて、相続税対策で提案していること」が問題です。
もちろん、無知な地主にも責任はあります。
その後、相続した親族はサブリースを打ち切られ、ほとんど賃借人のいない物件のローンを払い続けるという事態に陥っている人もいます。
物件が売れない問題
これまでの内容は、メジャーな内容だと思います。ここからが本題です。
不動産の投資物件にはインカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却利益)のどちらも大事です。
サブリースは、インカムゲインの面で見れば、メリットがある場合もあります。
家賃を保証してくれるのでオーナーは努力しなくても、ある程度の安心感を持てます。
問題なのが「売りづらい」ことです。
不動産投資家の方々は、できる人程、自分で積極的に動き、物件をコントロールします。
そのため、サブリースの存在自体を邪魔に感じる方が多く、サブリースの付いている物件を買わない傾向があります。
サブリース契約の物件を売却したいオーナーさんは、契約の解除をサブリース会社に求めますが、採算の取れている物件は断られることがあります。
儲かっている手札を切り捨てたくないという企業の考えは理解できます。
しかし、問題なのが裁判沙汰になっても、ほとんど「オーナーが負ける」結果になるということです。
なぜ、裁判でオーナーが負けるのか?
サブリース契約というのは、言い換えれば「又貸し」ともいえます。
オーナーさんの賃借人はサブリース会社です。
サブリース会社が又貸しで一般の方を住まわせています。
そのため、「正当事由」という借主有利な特権により、サブリースを解除できない問題があります。
このことを知らずに投資物件を契約してしまうことが根強い問題として、今も残っています。
まとめ
サブリース自体が悪いものとは思いません。
家賃を保証してくれることは安心感になります。
今後、物件を売りたい人・買いたい人はサブリースを解除できない可能性があることを把握した上で不動産投資をしましょう。