中古マンションを買う際には、築年数が気になるところだと思います。
営業マンは「築年数は中身をフルリノベすれば、新築同様に生まれ変わります」と言いますが、見た目は新築でもマンション自体の性能スペックは昔のままです。
そこに新築同様のスペックを入れ込む場合、トラブルが起こる可能性があります。
鉄管・スラブ下配管の可能性が高い
築40年以上の物件は鉄管・スラブ下配管の可能性が高いです。
鉄管とは?
正確には亜鉛メッキ鋼管と呼ばれていますが、サビることによって水の流れが悪くなったり、穴が開いて水漏れが起こる可能性が高いです。
マンションで1番起こるトラブルが水漏れトラブルで、住人同士が不仲になってしまいます。
最悪、裁判まで発展しているところもあるので、鉄管は要注意です。
スラブ下配管とは?
トイレやキッチン等の排水管が床スラブを貫通して、下の階の天井に配管されているケースです。
昔は置床というシステムが浸透しておらず、下の階に配管を通して勾配を取っていました。
大規模修繕で配管交換したとしても要注意
配管交換してありますと宣伝するマンションもありますが、共用部と専有部どちらかしか交換はしていない可能性があります。
共用部とは?
各部屋から流れてきた排水を一箇所の縦管で流しています。
その縦管が入っているところはパイプスペースと呼ばれており、共用部の一部です。
つまり、共有部の配管とは縦管という意味です。
専有部とは?
部屋の中のことです。専有部の配管とは、お部屋の中の配管という意味です。
共用部と専有部の配管は同じタイミングで交換しないと意味がない場合がある
共有部を大規模修繕で交換し、専有部の配管をリフォームで交換することがありますが、あまり良くありません。
その理由は、共用部の配管を交換する際に既存の細い排水管に合わせて工事されるため、お部屋の配管と縦管の合流箇所が細いままになってしまっているからです。
そのため、最新の設備にした場合、排水が溢れるトラブルが発生することがあります。
配管交換は共有部と専有部同士に実施することがベストです。
よくあるトラブル事例では、ベランダにあった洗濯機をお部屋の中に設置するリフォームで、そもそも洗濯機がお部屋の中に設置されるようにマンションが設計されていないため、洗濯機やお風呂の排水が溢れるトラブルです。
分電盤の容量が低い可能性がある
写真は単相3線式といって、線が3本ある分電盤です。
この場合は、最新設備でも容量に問題ありません。
この写真の分電盤がついている場合は要注意です。
基本的に単相2線式になっており、食洗機や浴室乾燥暖房機が取り付けできなかったり、レンジとポットを同時に使用すると落ちてしまったりします。
まとめ
築40年以上の物件はオススメしません。
内装を最新設備にしたとしても水漏れが起きたら、分電盤が落ちたり、日常生活に不便を感じる可能性が高いです。
配管状況や給水方式、分電盤容量は確認するようにしましょう。