投資用物件を探しているときに、誰もが疑問に思うことは
「不動産屋が高く利益を乗せて販売しているのではないか?」
「そもそも儲かるなら不動産屋が買うのではないか?」
この2点が気になるところだと思います。
不動産屋のリノベ担当の私が不動産屋が投資用物件を自社で買わずに販売している理由を分析しました。
営業マンは毎月のノルマに追われている
基本的に不動産屋の給料は歩合制です。
基本給は新卒社員並みの会社が多いと思います。
その代わり、売り上げを上げると仲介手数料の6%等が給料に反映されます。
ざっくり言うと5000万円の物件で、売主と買主から両手で仲介手数料をもらう場合、5000×(3%+3%)=300万円です。
それの6%が歩合に反映されるので、
300×6%=18万円となります。
そのため、そこそこ高い物件を両手で1回契約するだけで、給料が倍増する仕組みです。
そのため、営業マンは必死で販売します。
営業マンは自社で買うほうがメリットがあると考えることはあまりなく、とにかく早く売買して成績を上げたいと思っています。
ローンがつかない
大手の不動産の場合は、貯蓄もあるので、自社で買って運用しているパターンもありますが、小さな不動産屋の場合は資本金があまりありません。
そのため、物件を購入するためには融資を受ける必要がありますが、すでに物件を持っていて融資を受けている場合は、追加で融資を受けることが難しい場合があります。
それに日本は地震大国なので、将来どうなるかは誰にもわかりません。
堅実な経営をされている会社の場合は、そこまでボンボン買わないイメージです。
しかし、「ローンがつかない」というワードを営業トークとして使う人もいるようなのでご注意ください。
資本回転率の兼ね合い
資本回転率とは会社の業績を判断する上での指標となっており、少ない資産で大きな売り上げを上げていると資本回転率が高くなります。
しかし、不動産を所有していると資産に計上されるので、資本回転率が低くなりやすいです。
一般的にほとんどの業界が1.1〜1.7回転しており、総資本と売り上げがほぼ同じという意味ですが、不動産業界は0.5〜1.0以下と言われています。
資本がある割に売り上げが少ないように見えますが、言い換えると資本がめちゃくちゃあるとも言えます。
したがって、不動産屋が資本回転率の話をするのは営業トークなので無視して大丈夫です。
儲かる物件は既に押さえている
これがよくあるパターンだと思います。
儲かる物件は市場に出回る前に押さえており、自社で買ってしまうのは大手ではよくあることだと思います。
そのため、超優良物件というのは、一般の方にはそもそも降りてこないと思ったほうが良いです。
それに、土地の資産価値が高ければ、壊して新築マンション建てちゃいますよね。
駅前に個人が物件を新規に持てないのは、こういうことだなぁと感じました。
住◯不動産が2018年度マンション供給ランキングでダントツのトップでしたが、あれはリーマンショックで潰れた土地を不景気の段階で大量に買ったからなのは不動産業界で有名な話です。
自社で保有するより売ったほうが儲かる
これは景気にも左右されることですが、安く仕入れた土地を高く売るのが不動産の基本です。
先行きを考えたときに、ここで売ったほうが良いと判断された物件は売られます。
また、人気エリアであれば高く売れる可能性があるので、そのまま売るというパターンもあります。
まとめ
優良物件を自社で買って保有するというのは基本的に不動産屋の上層部の判断になります。
また、経営が安定している不動産屋でないと買うのは厳しそうです。
超優良物件は不動産屋に押さえられていると思ったほうが良いです。
景気や人気エリア等で保有よりも売却を選ぶパターンがあります。
あとうちの会社でよく見るのは、不動産屋が不動産屋に売ってるパターンも見ますね。
ノルマ達成のために、営業マンは基本的に売る姿勢でいます。