不動産・リフォーム知識勉強会

不動産・リフォーム知識を勉強する人のためのブログです。

中古マンションを購入する際に失敗しないチェックポイント~電気編~

 

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首都圏でマンションを購入する際、新築を買うか中古を買うかで悩まれている方は多いと思います。

新築は高額な割に、立地条件が悪いと感じる場合は、中古マンションのほうが安い上に立地条件が良いところが多いので、候補に挙がることもあると思います。

でも中古マンションってよくわからない

そんな方が大半だと思います。

意外と新築の設計をしてるプロでも中古マンションのことはよくわかってない人が多いです。

今回は、中古マンションを購入する際に注意しておくべきことを何回かに分けて作成することにしました。

今回は~電気・通信工事編~です

~構造・内装編~はこちらです。

fudosanbenkyo.hatenablog.com

 

電気容量に余裕がある物件かどうか

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これは、不動産屋さんもよくわかっていない人が多いのですが、電気容量ってめちゃくちゃ大事です。

新築マンションは基本的に単3で工事してあるので、何も問題ありません。

中古マンションの場合は、単2で工事してある場合があるので、その場合は要注意です。

単3と単2の違い

 

単3とは、住まいに3本の線で配線してある電気容量のことです。

電気メーターを見れば書いてあるので、すぐにわかります。

また、分電盤を外してみると、線が3本か2本かで確認することもできます。

単3分電盤

 

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単3になっていれば、200Vの大容量エアコンの設置や浴室乾燥暖房機・食洗機等、電気容量の大きい設備機器を導入することができます。

電気の使いすぎでブレーカーが落ちることもほとんどありません。

単2分電盤

 

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逆に、単2とは、住まいに2本の線で配線してある電気容量のことです。

こちらも電気メーターを見れば書いてありますが、たまにイレギュラーで、電気メーターは単3なのに、住まいには2本しか線が配線していないことがあります。

その場合は、リフォームで3本にすることが可能です。

単2は、昔の家電機器の使い方を想定して作られているので、電気容量が少なく、しょっちゅうブレーカーが落ちます。 

このことを仲介業者がお客様に説明していないことが多くてクレームになるナンバーワンかもしれません。

また、古すぎる物件の場合は、配線自体が漏電していることも多いです。

火災になる危険もあるので、リフォーム屋さんに工事中に確認してもらったほうが良いです。

 

 配線がコンクリート内部に埋設されているか、天井裏にあるかどうか

これはリフォーム業者さんでもよく見落としてしまう項目です。

配線がコンクリート内部に埋設されているか、天井裏にあるかどうかで配線しやすいかどうかが判断できるのですが、簡単にまとめるとテレビ配線がコンクリートの中にあったらやばい、インターホンで警報機が連動しているタイプは移設できない可能性があります。

テレビのあるある事例

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私も経験したことのあるテレビコンセント交換できない問題。

写真のようにテレビのコンセント差し込み口のみ若干古いです。

実はこのマンションでは上下階のテレビ配線がつながっているので、交換しようと思ってテレビのコンセントを外すと上下階のテレビがみれなくなってしまうので、交換を断念しました。本当はもう少し別の場所にテレビコンセントを設置したかったのですが、断念しました。

 

インターホンあるある事例

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 インターホンに警報機が連動している場合、リフォームの間取り変更のためにインターホンを動かしたいと思っても動かせない場合があります。

厳密には、防災関係の職人さんが工事を嫌がって請けてくれないパターンや、消防署に申請するため、高額な費用が発生する可能性があります。(申請だけで約15万~20万)

そのため、間取り変更のためにインターホンを移設する際は、まず管理会社に相談して、管理会社の防災部門で工事ができないかを確認してもらうほうが良いです。

光通信は通しているか

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物件を購入することに集中してしまって、ついつい忘れてしまうのが通信環境についてです。

築浅のマンションの場合は、光配線が通っていることがほとんどですが、旧耐震の築古物件は光配線工事をマンションでしていないことが多いです。

その場合、ケーブルテレビでインターネットを契約していることが多いのですが、通信速度でよく問題になっています。

最近は「ケーブルテレビで光」と謳っている会社も増えてきましたが、元から光配線を通してある物件のほうが安心です。

パソコン好きやFPS好きな人には、通信速度が命なので、よく確認しておきましょう。

 

まとめ

中古マンションの場合は、電気関係が昔ながらの仕様で時が止まっている物件がたくさんあります。管理状態の良い物件は、大規模改修時に工事していることもありますが、電気容量と通信設備の確認は必ず行うようにしましょう。

 

 

 

中古マンション 古い40年以上経つマンションは買わないほうが良い理由

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中古マンションを買う際には、築年数が気になるところだと思います。

営業マンは「築年数は中身をフルリノベすれば、新築同様に生まれ変わります」と言いますが、見た目は新築でもマンション自体の性能スペックは昔のままです。

そこに新築同様のスペックを入れ込む場合、トラブルが起こる可能性があります。

 

鉄管・スラブ下配管の可能性が高い

築40年以上の物件は鉄管・スラブ下配管の可能性が高いです。

鉄管とは?

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正確には亜鉛メッキ鋼管と呼ばれていますが、サビることによって水の流れが悪くなったり、穴が開いて水漏れが起こる可能性が高いです。

マンションで1番起こるトラブルが水漏れトラブルで、住人同士が不仲になってしまいます。

最悪、裁判まで発展しているところもあるので、鉄管は要注意です。

スラブ下配管とは?

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トイレやキッチン等の排水管が床スラブを貫通して、下の階の天井に配管されているケースです。

昔は置床というシステムが浸透しておらず、下の階に配管を通して勾配を取っていました。

大規模修繕で配管交換したとしても要注意

配管交換してありますと宣伝するマンションもありますが、共用部と専有部どちらかしか交換はしていない可能性があります。

共用部とは?

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各部屋から流れてきた排水を一箇所の縦管で流しています。

その縦管が入っているところはパイプスペースと呼ばれており、共用部の一部です。

つまり、共有部の配管とは縦管という意味です。

専有部とは?

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部屋の中のことです。専有部の配管とは、お部屋の中の配管という意味です。

共用部と専有部の配管は同じタイミングで交換しないと意味がない場合がある

共有部を大規模修繕で交換し、専有部の配管をリフォームで交換することがありますが、あまり良くありません。

その理由は、共用部の配管を交換する際に既存の細い排水管に合わせて工事されるため、お部屋の配管と縦管の合流箇所が細いままになってしまっているからです。

そのため、最新の設備にした場合、排水が溢れるトラブルが発生することがあります。

配管交換は共有部と専有部同士に実施することがベストです。

よくあるトラブル事例では、ベランダにあった洗濯機をお部屋の中に設置するリフォームで、そもそも洗濯機がお部屋の中に設置されるようにマンションが設計されていないため、洗濯機やお風呂の排水が溢れるトラブルです。

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分電盤の容量が低い可能性がある

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写真は単相3線式といって、線が3本ある分電盤です。

この場合は、最新設備でも容量に問題ありません。

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この写真の分電盤がついている場合は要注意です。

基本的に単相2線式になっており、食洗機や浴室乾燥暖房機が取り付けできなかったり、レンジとポットを同時に使用すると落ちてしまったりします。

まとめ

築40年以上の物件はオススメしません。

内装を最新設備にしたとしても水漏れが起きたら、分電盤が落ちたり、日常生活に不便を感じる可能性が高いです。

 配管状況や給水方式、分電盤容量は確認するようにしましょう。

 

団地のリノベーション 施工事例と費用を解説

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今回は、団地の一室をリノベーションしました。

団地リノベーションの施工事例と費用の目安を解説します。

また、築古物件でリノベーションを検討されている方は参考にしてください。

団地のイメージ

団地ってあまり良いイメージを持たない人も多いかもしれませんが、特にリノベーションの醍醐味を味わうことができる良い物件だと思います。

団地のメリットとデメリットを説明します。

団地のデメリット

現在の団地のほとんどが築40〜50年の物件が多く、外も中も古い状態の物が多いです。

室内も狭いキッチンセットにタイル貼のお風呂、部屋は和室という組み合わせが多く、時代に合っていない状態のお部屋が多いです。

また、お住まいによっては電気容量が少ない物件や天井・壁の状態が悪いために、騒音問題に悩んでいる方も少なくありません。

築40年を超える物件は、不具合が多いケースがあります。

詳しくは別記事を確認ください。

fudosanbenkyo.hatenablog.com

団地のメリット

駅から近い物件も多く、首都圏でも1000万円台〜2000万円台から売り出されている物件が多いため、比較的誰でも購入しやすいです。

まわりの物件よりも安く購入して、お部屋をフルリノベーションすれば、室内は新築同様で、トータル費用は抑えられるので、「安く綺麗な家に住みたい」という人にはオススメです。

フルリノベーション

 

施工事例を用いて、場所毎に説明します。

玄関

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収納量の少ない玄関に、両開きの玄関収納を付けて、収納量をアップさせました。

鏡付きにすることで、出掛ける前に服装チェックできるだけでなく、玄関を広く見せるようにしています。

廊下

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団地の廊下は暗くなりがちですが、各部屋を引戸にすることで、明るくなり、バリアフリーになりました。

リビングに入る扉はアクリルの入った開き戸にしています。

リビングダイニング

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クッションフロアで貼られた床は全て撤去し、遮音床で防音効果を持たせてフローリングを貼りました。

システムキッチンに変えることで、最新の機能が使えるようにしています。

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壁に付いているのは、元々が和室だった名残の「長押」と呼ばれる着物等をかけていた服掛けです。

今回は色んな物を掛けれるように、あえて残して塗装しています。

お風呂

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お風呂はタイル貼の在来浴室からユニットバスに交換しました。

落ち着いた色合いにして、全体的に統一感を出すようにしています。

トイレ

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隅付きトイレからウォシュレット一体型トイレに変えました。

収納もつけることで、スッキリ使えるようにしています。

洗面台

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シンプルでリーズナブルな洗面台を付けました。

横に台を作って、物が置けるようにしています。

収納

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収納は、個人的にお得意の「壁一面収納」にしました。

建具色と壁紙と色合いを合わせることで圧迫感がないようにすることがコツです。

フルリノベーションの相場

戸建ての場合は、外壁塗装等が絡むので、算出が難しいですが、マンションの場合は室内だけなので、費用の目安を算出しやすいです。

賃貸向けの物件の場合

費用をできるだけ抑えて、賃貸向け物件をフルリノベーションしたい場合は、「平米×10万円」でリノベーションできる場合が多いです。

たとえば、35㎡の場合は、35×10=350万円という具合です。

分譲向けの物件の場合

新築マンションで採用されているような商品を使う場合は、「平米×12万円」でリノベーションできる場合が多いです。

たとえば、60㎡の場合は、60×12=720万円という具合です。

 

 

 

事故物件 東京のマンションをリフォームして気づいた3つの共通点

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東京でリフォームの仕事をしていると、ちょこちょこ事故物件の工事の依頼がきます。

正直、すごく嫌ですが、仕事なので仕方なく受けてきました。

そして毎回、工事が終わる度にホッとしております。

これまで何軒か事故物件を工事してきて、共通することがあることがわかってきました。

今回は、事故物件の3つの共通点についてご紹介します。

ちなみに、事故物件を検索するときは、有名な大島てるさんのサイトを見れば一目瞭然です。

www.oshimaland.co.jp

 

まえがき

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事故物件を購入もしくはリフォームされたいときは、できるだけ神社に依頼してお祓い

をしてもらうようにしましょう。

お祓いは、神社がエリア毎に管轄を分けており、電話で聞けば教えてくれます。

通常5万円程度でお祓いしてくれます。

お供え物(野菜や乾き物等)は自前で準備することが多く、タクシーもこちらで手配するパターンがたまにあります。

全部準備するとけっこう重たいので、強度のあるカバンを準備されたほうが良いです。

ちなみに、私は神主さんとお祓いに行く途中、乗っているタクシーが事故に遭いそうになったことがあります。

一瞬、「来るな」と誰かに言われている気がしました。(ホラー)

事故物件の共通点

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事故物件を何軒か見てきて思うことは、「薄暗い、ジメジメしている、カビくさい」ということです。

刑事ドラマに出てくるような状態の物件が多く、靴を脱いで歩けるような状態ではないことが多いです。

さすがに事故物件の写真は載せられないのですが、それに近い状態の物件の写真です。

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この壁、影で黒いんじゃないんだぜ、カビで黒いんだぜ♪

 

もしかしたら、この「薄暗い、ジメジメしている、カビくさい」ということが事故物件に繋がる要因の一部になっているのではないかと考えてはじめました。

薄暗い、ジメジメしている、カビくさい物件の共通点

それは、いくつか原因が考えられます。

日光が当たらない

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北向きの物件自体が少ないですが、南向きでも、条件によって日光があまり当たらない物件があります。

日光が当たらないと常に日陰なので湿気を感じます。

そういったお部屋は、外観だけでなく、部屋に入った瞬間にカビのにおいがするので、

一瞬でわかります。

角部屋

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個人的な経験ですが、事故物件は角部屋が多いです。

外の風をモロに受けるので、外気と内気の温度差で結露が発生します。

それがカビへとつながります。

断熱材をしっかり入れていれば問題ありませんが、築20〜30年の物件でも断熱材が入っていないことが多いです。

断熱材は入れると、部屋が片面5~7cm程度狭くなってしまいますが、広さよりも

快適さを重視されたほうが良いと思います。

家具を動かしていない、掃除していない

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カビの跡から、家具をずっと動かしていないことがわかります。また、全然掃除していないです。

掃除していないからカビが生えるのか、カビが生えるような部屋だから掃除していないのか?

ほとんどの方が掃除していないからカビが生えているのだと思います。

事故物件を工事して驚いたこと

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これまで事故物件を工事しているときは、「どうせすぐには売れないだろうな」という気持ちで仕事していました。

しかし、意外とすぐ売れます。

自分でもびっくりして営業マンに確認したところ、

「元々、割安で販売しているから、気にならない人はすぐに買うよ。相場の100万程度の値引きで買ってくれる人もいる」

ということでした。

世の中には色々な価値観があると知りました。

結論

 

医学的な解釈がある訳ではなく、完全に個人の主観でまとめます。

薄暗い、ジメジメしている、カビくさい物件に住む

体調が悪くなる

つらいことがある

精神を病む

このように、湿気の多い物件に住むことで体調が悪くなり、それが精神に異常をきたすパターンもあるような気がします。

皆さんも住む場所はケチらずに、安心して暮らせる場所に住みましょう。

ちなみに、リフォームではしっかり断熱材を入れて全面リフォームするので、パッと見の室内は新築に再生してます。