今回、RC造の耐震診断ができるようになりたいと思い、鉄筋コンクリート造耐震診断資格者講習を受講してきました。
一級建築士か二級建築士が受講できる講座です。
構造計算は正直、さっぱりわかりませんでした。(リフォーム専門なのでお許しください)
しかし、どういう建物が危険で注意しておくべきかがわかりました。
阪神淡路大地震から得られた教訓
https://www.asahi.com/sp/articles/photo/AS20160429002185.htmlより引用
ピロティ形式の住宅は弱い
ピロティとは、一階部分を駐車場やガラス張りの店舗にするために、壁を設けず、柱だけで構成された開放的な空間のことを言います。
一時期、流行っていた手法ですが、阪神淡路大地震以降は、あまり見られなくなりました。
その理由は、壁がないため、ピロティ階のみ弱いという弱点があり、阪神淡路大地震で多くの建物が倒壊しました。
意外なのが、1981年以降の新耐震基準の建物は、この地震で倒壊したのはほとんどピロティ形式で、それ以外のRC造はほとんど大丈夫だった点です。
旧耐震のPC屋根は危ない
https://blog.goo.ne.jp/jp280/e/b153892db1aa9f048b0a6bc0f803a8c8より引用
主に公共工事で体育館の屋根に使われていた旧耐震のPC屋根は接合が甘く、震災で倒壊したところが多かったそうです。
現在は、公共施設の工事は完了しているということですが、個人所有の物件は不明です。
旧耐震のRC造を購入する際には、PC屋根かどうかを確認したほうが良さそうです。
SRC造の中間層は危ない
http://www.gensai.com/miomamoru/yowai_ie_tokai1.htmlより引用
オフィスビルで、エレベーターの乗り換え等のために、中間で広い広間になっている階があると思います。
そういった箇所は地震で倒壊しやすい箇所のため、避難しないほうが良いです。
でも、避難したくなるスペースですよね。
なぜ、地震の被害が内陸側で多かったのか?
これは地震が起きた際の東西方向の揺れが、兵庫県の中央に位置する山々で反発されたことで、内陸部に強い揺れが発生したことがわかりました。
山が地震を反発するってあるんですね。
東日本大地震から得られた教訓
津波で多数の被害が出てしまった東日本大地震ですが、建物が倒壊したというよりも、津波で流されてしまった事例が多く発生しました。
高台の被害が多かった
実際の地震のみの被害は高台の住宅に集中しており、地震の地形効果で高台に被害があったということでした。
そのため、高台に家を建てれば安心というわけではなく、地震の種類によっては、むしろ危険になる可能性を秘めています。
熊本大地震から得られた教訓
https://www.asahi.com/sp/articles/photo/AS20160426000371.htmlより引用
熊本大地震の頃には、耐震補強工事も進み、学校等の公共施設も耐震補強が行われていました。
しかし、耐震補強工事が途中の施設に関しては、ダメージが補強前の箇所に集中し、倒壊してしまう事例がありました。
特に、家庭科室等の特別教室は広い場所のため、地震の被害に遭いやすいです。
避難する際は、特別教室には行かないようにお子様にお伝えください。
意外だった点
学校は安全と思われている方が多いですが、決してそういう訳ではないようです。
基本的に学校は南北方向に開けており、南北方向に弱く、東西方向に強いです。
地震は東西方向に発生していることが多いため、たまたま大丈夫なだけであって、南北方向に揺れが発生して場合は、学校も倒壊の危険性が高いということでした。