不動産を買うときに何が良くて何が悪いかよくわからないと思います。
特に中古物件では、不動産業者でも見極めは難しいです。
今年、既存住宅状況診断士(ホームインスペクター)を取得していますので、ポイントを書かせて頂きます。
違反建築
https://mofmof-investor.com/leopalace21-problem-2598.htmlより引用
違反建築は、現在の新築でほとんど見ないようになりましたが、中古住宅は2割が違反建築と言われています。
工事には公共的な検査というものがあり、確認済証と検査済証という物が発行されます。
確認済証
工事を開始する際に役所に図面が違反建築でないと確認されたときに発行される物です。
検査済証
建物が出来上がった後、役所の人が現地に来て、図面通りに建物が出来上がっているか確認されたときに発行される物です。
昔の物件は確認済証は取得しても検査済証を取得せずに販売されているものが多く、東京の物件で非常に多いです。
理由としては狭小地に建つことが多いので、販売がしやすいために部屋を広く作るように変更したり、採光が確保されていなくても隣地ギリギリで建ててしまうことがあります。
アパートに関しては、外廊下の幅が違反であったり、2方向避難が確保されていなかったりすることがあるようです。
外廊下は1.2m確保、内廊下は1.6m確保、100㎡以上の物件は2方向避難通路が必要です。
違反建築で災害が発生した場合、所有者が罰せられることになりますので、注意が必要です。
シロアリ
http://www.shiroari.jp/cathand/detail-150225.htmlより引用
シロアリがいると木造は構造部自体にダメージを受け、倒壊する可能性があります。
「蟻道」という泥の道のような物が確認できる場合は、購入しないほうが良いです。
ちなみにラスモルタル工法の物件は下地に水が廻っていることがあり、濡れた木材はシロアリの大好物なので、被害に合いやすいです。
傾き
https://ken8864.wordpress.com/2015/11/07/%E5%9C%B0%E5%BD%A2%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/より引用
物件に傾きがある場合は購入しないほうがベターですが、あまりにも価格が安い場合は、曳家業者に依頼することもアリだと思います。
一般的に費用は1500万円程度でアンダーピニング工法で解消されることがありますので、そのままその費用を値引き交渉の材料に使ってみても良いかもしれません。
ちなみに地盤沈下物件は地盤の問題なので、地盤改良が必要になり、費用が莫大になるため、購入はしないほうが良いでしょう。
アパートで賃貸に出す予定の物件が傾いている場合、健康被害で裁判になる可能性もあります。6/1000以上の傾きはアウトだと考えたほうが良いです。
擁壁
擁壁がある物件でコンクリート造で水抜き穴が1㎡以内に3箇所ある物件は問題ありません。
以下の物件は買わないほうが良いです。
二段積み擁壁
https://allabout.co.jp/gm/gc/457159/より引用
二段積み擁壁は地震に非常に弱いと言われているため、買わないほうが良いです。
玉石積み擁壁・大谷石擁壁
玉石積み擁壁
https://iqra-channel.com/retaining-wallより引用
大谷石擁壁
https://allabout.co.jp/gm/gc/389795/より引用
上記2つの擁壁も構造体力が低い場合が多く、なるべく買わないほうが良いです。
こういった石積みの擁壁は中途半端な業者が工事すると、隙間も多く、隙間が多いということはそれだけ弱いということなんです。
設備関係
火災報知設備
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%B3-NITTAN-%E4%BD%8F%E5%AE%85%E7%94%A8%E7%81%AB%E7%81%BD%E8%AD%A6%E5%A0%B1%E5%99%A8-%E3%81%91%E3%82%80%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%9310-KRG-1D-X/dp/B01GCA9Y4Oより引用
火災報知設備は消防署によって規定が異なりますが、500㎡以上は自動火災報知設備設置が義務付けられています。
一般的な電池式火災報知器は、広さに関係なく居室に1個は必要です。
自動火災報知設備ついていない場合は、100万円以上改修費がかかります。
貯水槽
https://www.n-bunseki.co.jp/menu/cleanより引用
貯水槽設備があるアパートは1年に1回清掃が義務付けされています。
ポンプは10年毎の交換が目安で、交換する場合は100万円以上します。
また、高架水槽方式の場合、地面と屋上に貯水槽があるため、貯水槽交換工事の際に
費用が倍かかる可能性があります。
500万円以上かかることもあるそうなので、アパート購入希望の方は要注意です。
浄化槽
都心では見かけることも少なくなりましたが、下水道がないエリアでは、浄化槽が使われています。
浄化槽は年1回の清掃と年4回の点検が義務付けられているエリアが多く、点検費用が発生することも考慮したほうが良いでしょう。
オートロック
https://offer.able.co.jp/oshieteagent/room/apartment-self-locking/より引用
アパートを購入する際にオートロックシステムになっている場合は、メンテナンス費用が多く発生することがあります。
現在はパナソニックとアイホンで独占市場になっているインターホン業界ですが、商品が故障すると交換品がなく、アパート全部屋の交換が必要になることがあります。
その場合は200万円以上はかかってきますので要注意です。
屋上の防水状況
http://www.nurisen.jp/works/pg272.htmlより引用
防水の状況を確認することは重要です。
特に断熱ブロック式の屋上の場合は通常の防水工事の3倍近くかかると言われているので、雨漏れが発生した場合は大きな痛手となります。
まとめ
中古物件はプロからすれば、目視で危険かどうか判断できることも多いので、インスペクションをすると危ない物件を買わずに済む可能性が高いです。
現状は、インスペクション自体の浸透率は低いですが、今後広まっていくと思います。